5日、EU委員会は、イーロン・マスク氏の「X」に対し、「デジタルサービス法」に違反したとして、約1億2000万ユーロ(約220億円)の罰金を科すと発表した。
なお、内訳は不明だが、法人としての「X」と個人としてのイーロン・マスク氏も、罰金対象なのである。
対して「X」は6日、この措置に対抗して、EUの広告「X」アカウントを停止したと発表、イーロン・マスク氏は、「EUは廃止、各国に主権を返すべきだ」と「X」にポストした。
停止してのはあくまでも「広告アカウント」であるが、EUはこのアカウントを用いて「本アカ」への誘導をしていたのである。
つまり、広告料を「X」に支払って、その「X」に制裁すると読者を誘導していたのであるが、「X」はそれでもEUの本アカは停止していない。
こうした応酬に、J.D.ヴァンス副大統領とマルコ・ルビオ国務長官が参戦し、EU批判を繰り広げる展開となったのは、あたかもアメリカとEUの破局にみえる。
ただし、8日の時点で、トランプ大統領は沈黙を保っているので、はたしてなにが飛び出すか?
それもそのはずで、ウクライナ支援金からの汚れた巨額のカネに対する捜査をしている、「欧州検察」とは、事実上、トランプ政権2.0の司法省の影響下にあるからで、EU検察もEU委員会とは切り離されているために、ウクライナの汚職捜査と同じ相似形なのである。
つまり、時系列から、2日の欧州検察によるEU幹部への家宅捜索と身柄拘束に対抗する手段として、「X」が血祭りに上げられる、という順であるから、これまでのイーロン・マスク氏とトランプ大統領の近さから、事実上のアメリカへの「報復」とみなすのがふつうだろう。
けれども、「言論封殺」にあたる、決定的な「悪手」を打ち出したことで、まさに「発狂」といってもいい状態に、EUトップが追い込まれたことを意味している。
とにかく「保身」の行動が、これだ、という醜態を全世界にさらしてしまったけれど、おそらく当事者たちは、ほくそ笑むという狂気にあるとおもわれる。
当然ながら、その当事者のひとりは、フォン・デア・ライエンである。
こうした派手な状況の裏で、わが国の高市早苗氏の政治資金問題が、「小さく」扱われている。
たしかに世界レベルの汚職からしたら「極小」にみえるが、五十歩百歩、なのである。
ときに、EU委員会による言論統制の準備は、かなり早い段階ではじまっており、5日に発表された最新のアメリカ合衆国国家安全保障戦略でも、「懸念」を通り越して、「非難」しているのである。
これには、今年2月のミュンヘンでのことをおもいださせる。
J.D.ヴァンス副大統領が、EU幹部の前で正々堂々と、「言論の自由」の重要性を説いたのである。
しかし、完全に無視どころ悪意ある方法を実行してしてしまって、引き返し不能点を超えた。
おなじく、わが国でも、SNS規制について自民党が画策しているのである。
まったく、隣国の全体主義を笑えない、とんでもないことである。

